栃木市の国登録有形文化財「横山郷土館」

栃木市は蔵の街ともいわれています。その名の通り歴史的な建物が多く残され、現役の建物も多いのが特徴です。
その中でも今回は、国登録有形文化財となっている横山郷土館を紹介します。

散策を楽しみながら郷土館へ

横山郷土館へは、栃木駅から巴波(うずま)川沿いを歩き、約18分で到着です。歴史を感じる景色と建物が絵になり、歩いているだけでも楽しいですね。

歴史的な街並みと巴波川が栃木市のシンボルと言っても過言ではありません。川の向こう側の趣のある建物が、今回紹介する横山郷土資料館です。
横山郷土館は、明治時代の豪商・横山家の貴重な資料を展示した郷土館です。

横山郷土館とは?

両袖切妻造りという貴重な建築様式。明治時代に建てられたものだそうです。
店舗を抱えるように築かれている蔵は、鹿沼産の深岩石でつくられています。

麻問屋と銀行を営んでいた横山家。
麻はかつて栃木県の広範囲で作られており、現在でも一部で生産されているそうです。神事などの衣装の原料として需要があったということを施設の方から伺いました。
麻は、衣類だけでなく、下駄の鼻緒の芯や魚網など、生活に欠かせないものにも幅広く使用され、江戸との交易により成功を収めた横山家は県内有数の麻問屋となりました。

館内をすすむと、貯蔵庫・銀行があります

麻蔵の様子。当時はここに、15kgの麻束が2万束以上保管されていたそうです。
現在は横山家の所蔵品を展示しています。

横山家経営の私立銀行、「栃木共立銀行」です。当時地域の経済発展を支えていたそう。
梁の材料は、「お客様を待つ」にかけて、松を使用しているとのこと。
「松は、曲がって生えているのが基本なので、これだけの大きな梁をとるにはかなり大きな松の木だったはず。」と施設の方が丁寧に教えてくださいました。

良いものを惜しみなく使い、地域の経済を良くしていきたいという建主さんの思いが感じられました。

スリッパに履き替えて進むと、このような看板が目に入りました。テレビでも紹介されていたんですね。

写真右側が金庫です。大きくて重厚な金庫の扉に驚きました。プロの方でしか開けることができないような厳重さですね。

中庭へすすむと、洋館や美しい日本庭園を見られます

施設の方にお庭まで案内していただきました。
まず目にとまったのがこの建物です。大正7年に建てられた洋館で、ゲストハウスとして使用されていたそうです。
当時の栃木市役所をみた建主が、それを模してつくらせたそうです。ここに戦時中に疎開し滞在していた、歌舞伎役者・猿翁さんから寄贈された絵が見られます。

写真右下、隈取りの絵が飾ってありました。
空間を贅沢に使い、利用者の生活空間やプライバシーを大切にしたいという思いが感じられました。

洋風の外観と、日本の住居の良さが両立している。蔵の街・栃木市ではそのような住宅や建物を見ることができます。
かつてあった建物を保存する、というよりは今でも大切に使い続け、生活を感じられるところがおすすめです。

洋館からさらに奥に進みます。
こちらは、横山家の女性が使用していた部屋です。天井は屋久杉でできています。
男女の部屋が分かれていたのですね。
男尊女卑という印象よりは、それぞれの立場の空間を大切にしているのではないかと思いました。

・・・それにしてもかわいい空間。居心地が良く、いつまでも眺めていたいなと思えます。


美しい庭園。奥には、男性が使用していた大広間があります。
庭一面を一望でき、ビジネスの場として利用されていたことがうかがえます。
着物を着て記念撮影ができたらステキだな・・・と思いました。

「第5回小江戸とちぎ きものの日」というイベントが11月19日(土)に行われるそうです。
詳しくは栃木市観光協会のホームページをご確認ください。

着物のレンタルや散策をしたり、抹茶とお菓子をいただいたり、遊覧船の無料乗船ができたりと、さまざまなイベントに参加ができるようです。

ノスタルジックな蔵の街に溶け込み、小江戸とちぎを楽しんでみてはいかがでしょうか。

横山郷土館
住所:栃木県栃木市入舟町2番16号
アクセス:JR「栃木駅」より徒歩約18分
電話/FAX:0282-22-0159
入館料:一般(高校生以上) 300円
中学生以下 無料
開館時間:午後9時〜午後5時
休館日:毎週月曜日(ただし祝日の場合はその翌日)
年末年始(12/29~1/3)
公式Instagram:@yokoyamakyodokan

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。