うなぎをなでて開運祈願!これで運気はうなぎのぼりに!栃木市「平柳星宮神社」

新栃木駅から徒歩約5分、栃木市平柳町の住宅街の中にひっそりと佇む「平柳星宮神社」。地元の人々からは親しみを込めて「こくぞうさま」と呼ばれています。この神社は、全国的にも珍しく「うなぎを神の使いとして祀っている」ことで知られています。

古くから地域の人々に信仰を集め、開運や厄除けのご利益で知られるこの神社では、春になると伝統行事「御神楽祭(おかぐらさい)」が執り行われ、地域のにぎわいを今に伝えています。

春を告げる御神楽祭

毎年4月に行われる「御神楽祭」では、境内の神楽殿で笛や太鼓の音とともに神楽が奉納されます。
神職や舞手による舞は、厳かでありながら、火男(ひょっとこ)のお面をつけたコミカルな演目もあり、子どもから大人まで笑顔に包まれる時間が流れます。

神楽には「福を呼ぶ」「邪気を祓う」といった意味が込められており、参拝者たちは舞を見つめながら、それぞれの願いを心に込めて過ごします。

また、お菓子やお餅をまく「福まき」も行われます。子どもたちが元気に拾い集める様子は、神社の雰囲気をいっそうにぎやかに彩ります。

神の使いは「うなぎ」!?強い生命力にあやかって

平柳星宮神社で特に注目を集めているのが「なでうなぎ」です。

この「なでうなぎ」は、うなぎが水を求めてどんな障害も乗り越えて進む姿にあやかり、運気上昇・健康長寿・家内安全・事業繁栄などの願いを込めてなでられています。

うなぎの像の周囲には十二支が刻まれており、まず自分の干支をなでてから中央のうなぎの像をなでることで、ご利益が授かれるとされています。

歴史と信仰にふれながら、自然に包まれた空間を歩く

本殿には、磐裂命(いわさくのみこと)・根裂命(ねさくのみこと)・経津主命(ふつぬしのみこと)の三柱の神様が祀られています。
これらの神々は、神話では剣と深く関係する神霊で、私たちの身に知らず知らずついた罪や穢れを祓う「祓の神」「厄除けの神」として信仰を集めています。

神社は室町時代の永享2年(1430年)に再興されたと伝えられています。
江戸時代になると、近くを流れる巴波川(うずまがわ)の舟運によって地域の物資流通が活発になり、「平柳河岸」と呼ばれる荷下ろし場が開かれました。神社はこの時代、産業守護の神としても厚く信仰されるようになりました。
また、かつては神仏習合により、虚空蔵菩薩(こくぞうぼさつ)を本地仏として祀っていたことから「こくぞうさま」と呼ばれ、現在でもその名で親しまれています。
虚空蔵菩薩の乗り物が「うなぎ」であるという伝承から、神使としてうなぎを大切に祀り、神職の方はうなぎを食べない風習を守り続けています。

境内には末社(まっしゃ)や祠が複数あり、穏やかな空気が流れています。また、神社を包むように木々が生い茂り、自然のエネルギーも感じられる癒しの空間です。

授与所では、うなぎが書かれた御朱印や御守り、そして「うなぎみくじ」など、つい手に取りたくなるかわいらしいアイテムが揃っています。

これでさらに運気は「うなぎのぼり」に!
お土産や記念にもおすすめです。

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